併傳武術について
神道夢想流の併傳武術には、神道流剣術、内田流短杖術、一心流鎖鎌術、一角流十手術、中和流短剣術、一達流捕縄術があります。このうち、一達流については残念ながら指導されておりません。
併傳武術は高段位者のみに稽古を許される場合が多く、稽古の機会も多くありませんが、一寸堂ではできる限り後世に伝えられるよう、杖術二段を取得してから順次稽古を始めています。ここでは、現在主に指導されている三つの武術をご紹介します。


   神道流剣術


摺込
神道流剣術は、神道夢想流杖術に併傳武術として伝えられていますが、一説には神道流剣術は表の太刀であり、杖術における太刀が影の太刀であるともいわれています。
神道流剣術は、四通八通(しつうはっつう)とも称され、その名の通り、大太刀8本、小太刀4本の形が伝えられています。



  相寸 相寸左(又は「逆相寸」) 鷲 乳払 左輪 受流 二刀合 摺込 受流 咽中 三受留 突出 


  内田流短杖術


後杖
内田流短杖術は、大正時代に内田良五郎によりステッキを使用する術理として創始されたといわれています。使用する杖は、3尺程度(約90センチ)が常寸であり、ちょうどステッキのように片手で用い易い長さとなっています。特徴的なのは手元から先に向かってテーパーがかかり、先に行くに従って細くなっていることとです。手元から5寸(約15センチ)ほどのところに穴をあけて手紐を通すようになっているものもあります。
術は片手で突く、打つ、払うといった動作のほか、接近して当身を使用したり、関節を極める等、多分に体術的な要素も含まれています。
指導者によって、多少「形」の名前や内容に変化が見られます。下記の形の名前と記載順は、日本杖術協会により指導されている内容に基づいています。



  小手打(右) 小手打(左) 捨身 繰付 後杖 水月(右) 水月(左) 斜面(右) 斜面(左) 拳砕 脛砕 入身 


  一心流鎖鎌術


居敷(表)


一心流鎖鎌術は念阿弥慈恩(念流)、堤法讃(宝山流)を祖とし、第六代の丹一心によりまとめられたと伝えられています。神道夢想流二十四代宗家の白石範次郎が一心流鎖鎌術十代宗家でもあったため、併伝武術として今日に至っているものです。
一心流の鎖鎌の「鎌」は一般に知られる鎌の形状と大きく異なり、刃が両刃で、鎌と柄に渡る金具が拳を守る機能を果たしていることが大きな特徴です。
鎖は柄尻に繋ぐ構造で、鎖は長く一丈二尺(約3.6メートル)、その先に分銅をつけます。
(稽古用の鎖鎌は、金剛紐などの丈夫な紐の先に革や布でくるんだ球体を繋げて使用しています)



【表・影】  居敷 添身 羽返 無眼 十文字 振込一文字 振込十文字 磯之浪 巻落 三所詰 浮船 袖搦

【奥】 前 後 左 右 槍合(前) 槍合(後)

【口伝】 長柄鎌(八通)